不定愁訴と聞いて、何を思い浮かぶでしょうか。
いつも痛みが違う箇所である。
症状があまり改善しない。
よく眠れない。
なんとなく体が重たい。
などといった症状でしょうか。
実際、日々の臨床では他覚的所見に異常が認められないのに、自覚的な症状がなかなか消えないケースは多いのではないでしょうか。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
これには、
1.身体的な他覚的な所見は本当に無いのか。(臨床家のスキルの問題)
2.精神心理面に何か問題が無いのか。
という2点があげられるのではないでしょうか。
私達の身体運動は、精神心理的側面に影響されます。
表出されている筋の緊張状態は、中枢神経系の興奮性の現れであり、この中枢神経系の興奮は、精神心理的な側面から生じているものと考えることができます。このように考えると、人間がとっている姿勢・動作は精神心理的側面を現しているということにつながると考えられるのです。
私達は、何か悲しいことがあったら体は丸まりますし、嬉しかったら飛び上がって喜ぶこともあります。しかし、その反対はあまりないのではないでしょうか。悲しい時に背中が仰け反るほど伸び手を高々と上げている人がいるでしょうか。また、とても嬉しい時に顔を下に向け背中を丸めている人はいるでしょうか。あまりいないのはないでしょうか。このような日頃の私達の行動の中からでも、精神心理面と身体運動には何か関連性があると感じずにはいれません。
これは別の捉え方をすれば、精神心理面を身体的側面から治療ができるのではないでしょうか。古くから日本には「心身一如」という言葉があります。また中医学にもこのような考え方が治療形態に反映されています。さらに、欧米諸国で発展している神経哲学の言葉にも、「二面的一元論」という言葉が出てきており、二元論的な観点のみでなく、心身の相互性が注目されてきています。
このような観点から、私達臨床家は治療介入する際には、心身の相互性を現存の医学知見を踏まえ、決して観念論的のみに傾倒せず、アプローチする必要があろうかと思います。
今回のセミナーは、この不定愁訴に関し、その医学的な観点からどのように捉えることができるのかの材料を提供することを目的にしています。
特に今回は、日頃私達が対応に迫られることが多い「痛み」について考えていきたいと思います。
【このセミナーではこんなことが学べます】
*不定愁訴が出現する神経機構
*不定愁訴に対するアプローチの方法
*不定愁訴に対するアプローチの実習
本セミナーは座学中心で一部実技ありとなります。
日時:2017年8月27日(SUN)
10:00〜16:00(9:40受付開始)
会場:苅田土地記念改良会館 第一会議室
http://www.geocities.jp/karitatochikairyokinen/akusesu.html
費用:8,000円